230 レポート指標まとめ
◆課題のおさらい
1. $ f_0, Q_0, \Delta f の値:LC直列回路の周波数特性
2. 回路の現在の$ Q値を100倍にするプラン
3. $ C,R,L値/機器精度:実験系測定精度
◆報告書とは
読み手にわかるように
順序を整理して
項目(節・小節)を立てる
のがレポート=報告書
◆わかる報告の3ステップ
1. 目的を明記
2. 内容の3つの要素:「設定・入力・出力」
3. 最後に値を再度まとめ,評価
▲▲ の3ステップの繰り返し
※仕事の業務報告書も同様
★理系論文はさらに「4.考察」を!
← 理系的「考える力」をつける!
◆本テーマのレポートに必要な情報
★本テーマは「課題解決型」!
← やったことを書くだけではダメ!
1. 主目的・主課題はなにか
2. 方針:課題達成のために 自分たちが決めた方針とその根拠
★自分たちの方針はMUST!
3. 各課題に対する実験 ← 実験毎の報告
3.1 実験毎の概要
3.2 実験条件
3.3 手順
3.4. 手順に対応した結果
データと図表
自分の班の試行錯誤記録
3.5 結果まとめ(表)と評価
3.6 実験毎の考察:疑問点を深掘り
4. 「2.方針」に照らした主課題への評価
★これもMUST
5. 本テーマ全体への考察
6. (感想) ← あれば書く.MUSTではない
★その他
自分が担当した分担作業
間違えた,やり直した,複数回測定した等の「プロセス情報」はオンリーワンのレポートに必須.
◆本テーマのレポートに不必要な情報
不要(1) 背景理論の詳細な解説
理由:本テーマは100年以上前に成立した交流回路理論に基づく,シンプルな実験.
測定方針やデータの評価には,背景となる数式は必要だが,それ以上の詳細な解説は無駄=レポートとして評価対象にしない.
不要(2) 「この実験は成功だった/失敗だった」の評価
理由:上と同じ理由.
本テーマの実験結果から何か新しい知見が生まれたとしても,元となる理論を覆すような事はありえない(そういうデータが出たとしたらそれは100%ミス).
さらに,第1日の解説で述べたように,本テーマは「課題解決型」なので,「失敗した」「途中までしかできなかった」としても,自分たちの試行錯誤をしっかり記録してそれをまとめれば,何らかの知見は得られるし考察も可能だし報告書として作成することはできるはず.
不要(3) 実験書に提示してある回路図をわざわざ手描きする
理由:本テーマでは回路図は実験書からのコピペでよい.また,実験書に示されたグラフ例をわざわざ引用する必要もない.グラフは自分で描くものである.
◆構成の雛形
※理工系レポート/論文の構成はほぼこの通り
→ 「個性」は不要
▼▼ に一例を示す:あくまでも参考=「指示」ではない
でも,真似してOK
※班の方針によって,2. 以下は変わる
【節立ての例】 → 目次にするならこれに頁番号が必要
code:電気回路実験レポート節立て例
1. 本実験の課題と方針
1-1. 主課題
1-2. 班の方針 ◀◀ MUST!
1-3. 班の実験プラン
2. LC共振回路の周波数特性実験
2-2. 実験条件
2-3. 実験手順とその結果 ◀◀ 箇条書き
2-4. 結果値まとめ表と評価
2-5. 考察
3. Q値向上の検討
3-1. アイデア・根拠
3-2. 実験プラン・実験回路
3-3. 実験手順
4. 実験素子機器の精度:RC回路過渡特性実験
4-1. 概要・方針・回路
4-2. 実験条件
4-3. 実験手順とその結果 ◀◀ 箇条書き
4-4. 結果値まとめ表と評価
4-5. 考察
5. 班の方針に基づく主課題の評価・考察 ◀◀ MUST!
6. 感想 ◀◀ あればでよい
◆書き方
ちゃんと書けてるか? → 半分以上書けたら,レポートチェック!
★最も大事なこと
「文を書く」こと!
レポートは「教科書の回答集」「テストの解答用紙」ではない!
人間に読ませる=理解できる順番で理解しやすいように文を書く
※理系のレポートはほぼ定形だから慣れれば簡単!
◆体裁・レイアウト
◎1. マージン:推奨は全て 15mm
◎2. 表紙と本文のレイアウトの違いに注意
同じレイアウトだとどちらかが乱れる可能性
◎3. 字下げ:節 → 小節 → 本文 → 箇条書き
の順に右→右→に字下げ!
◎4. 数式・下付き文字:いい加減では✘!
ワードならできるはず!例:f0(a) → $ f_{0(a)}
下付き属性のやり方,数式の書き方は 自力で調べろ!
◎事例 ← 見て理解せよ
https://gyazo.com/bcd44610206450fa0993d378fc167e76 https://gyazo.com/9f8b548eeb3c02ded984ddbb4265bdc9
◆グラフ(1)
データから必ずグラフを作成
手描きでもPCでも可
◎重要ポイント
a. 読みやすいこと!
b. 必要な情報が記入されていること!
◎用紙は2種類
通常は正方眼(普通のグラフ用紙):時間軸グラフ,$ f特拡大図
周波数特性全体は片対数用紙:$ f特全体図
◀◀ 対数用紙の使い方は調べろ!
◆グラフ(2)
◎手描きの場合:点と線をしっかり描く!
※手描きはカーブが難しい
描いたら → スキャン → ワープロに貼り付け
※影映りは✗ ⇒ 撮り直し!
斜め画像は✗ ⇒ 台形補正!
◎PCで作成の場合:Excel等で作成 → 画像保存 → ワープロに貼り付け
※パソコンソフトは慣れが必要
◎貼り付ける時:
可能な限り大きなサイズにすること!
a. 横幅一杯
b. 紙面一杯 ← 横回転させて
◆グラフ(3)いい例
◎グラフいい例
https://gyazo.com/9954731f738c566b293cd0efd4aa3688https://gyazo.com/6e4a0e94d7e0b1359213384e040a580chttps://gyazo.com/7859890aeaa72f3ff3bf9ac7fd0c4c80
左:ほぼ完璧.線も細くて見やすい
中:◎線が美しい!Good.が,▲目盛がない!
右:◎かなりGood.が,▲横軸目盛りなし
以上.
2024/4/8